( 参考:日刊ゲンダイー『年を取って聞き返すことが増えた…認知症予防のために』 )
「日刊ゲンダイ」では、難聴がコミュニケーションの壁を作り、会話嫌いになり、孤独感が増し、認知症レベルを上げてしまう、ということが解説されています。
記事とは無関係ですが、老人ホーム紹介のさいの本人面談時、若い頃ヘッドフォンに縁がなかった80歳台以上より、昔からずっとヘッドホン・イヤホンで音楽を聴き慣れてきた70歳台以下のほうが、会話をしていて(耳が聞こえにくいために)聞き返してくる割合が高いです。
スマホも使いこなすハイテクシニア世代でもありますが、四六時中スマホでイヤホン使ってポッドキャスト番組などを聴き、それに没頭している自分の孤立が分からないでいる、という人が多いのが今の70代に見えます。
今の60代以下はそれ以上に耳を酷使しているのが明らか。
記事では、【補聴器のすすめ】という結論に至ります。〝近視はメガネをかけるのに補聴器は・・・〟というキャッチコピー(難聴なら補聴器使うべきでは?という暗喩)が秀逸な文章です。
在宅介護でも老人ホームなど施設介護でも、利用者との会話・コミュが最重要で、それが叶わないとシニア側はどんどん自閉的になり、認知症が進むのは理解しやすい構造です。
記事通り、【テレビの音が大きくなり始め・・・】たら、タイミングよく少しでも早く補聴器をすすめるのも、介護する側のケア技術のひとつといえます。
これの参考になるのが、以下のTBSテレビの6月6日の報道です。6月6日は補聴器の日だそう。
( 参考:TBSテレビー『「補聴器」賢い買い方!医療費控除をわかりやすく』 )
TBS報道は日刊ゲンダイ記事の【補聴器のすすめ】を医学的な方面からも検証しています。医者へのインタビューで「補聴器すると、その後の認知機能の低下を抑制する」と言質をとっていたり、補聴器ユーザー歴の長い利用者を取材していて、必要性が腑に落ちます。
難聴の人が補聴器を購入するのに障壁になるのは、価格が高額なこと。
老人ホームで暮らしている高齢者が「目が悪くなったがちゃんとしたメガネを買う金がない」場合、少ない年金額の高齢者のこづかいを減らさないため、老人ホームが会社の経費として自腹で、ダイソー等100均で1.2倍〜2倍のメガネを買ってあげることがあります。
メガネの場合、この程度のことで事足ります。しかし、補聴器となると100均商品に頼るのは怖すぎます。
といっても、普通なら10~50万円近くかかるのが、補聴器。
目は見えなきゃ困りますが、耳は聞こえなくても周囲のケアでなんとかなってしまうことに加え、【高い】ということが、難聴シニアが補聴器購入を渋る原因となっています。
TBS報道では、これに対し、医療費控除という解決策を提案しています。
つまり、〝『補聴器相談医資格』を持つ耳鼻科の医者に診療情報提供書を書いてもらい『認定補聴器技能者』のいる店舗で購入した補聴器は医療費控除の対象になる〟ということです。
診療情報提供書は、老人ホームに入居するさいにも必要になる、患者の病気等の状況を詳細に記した医者の診断書です。