トヨタのツギココと段階的な高齢者施設入居

( 参考:トヨタイムズー『「認知症の方の外出は不安」と思っている人は必読。』 )

かつて香川照之さんのテレビCMで話題になったトヨタイムズの記事です。トヨタイムズはモビリティ関連ということでシニアカー等の最新ニュースも度々とりあげられています。
リンク先記事は、トヨタが開発した「ツギココ」という認知症気味の高齢者の外出支援となるスマートウォッチ型デバイスについて紹介されています。

外出時、ツギココを腕にはめて操作しながら歩けば、ツギココがカーナビのようにしゃべって道案内してくれる、というもの。スマホアプリだとスマホ自体を忘れて役に立たないから腕時計型の商品にしたそうです。

記事には、このデバイス開発に至る経緯が説明されていて、介護の考え方として役に立つところがあります。

老人ホーム入居を考える家族には、痴呆が進んで徘徊が止まらず危険回避のためギリギリやむなく施設で守ってもらうという考えの方もいれば、「認知症ぽいし子育てとかぶる」からとりあえず親は高齢者施設へという人もいます。

ツギココの開発は以下の発想から始まりました。

視力がすこし落ちて0.8になった人に、無理やりキツイ度数のメガネをかけると、逆に前が見えなくなり視力の悪化も早まってしまう。一方認知症は、症状が軽くても一律に「認知機能がない人」と烙印を押されてしまう。症状が軽度ならもっと社会で活躍できるはずだ。だがそのためには、目的地に行かないと何も始まらない。だからこそ「徒歩移動」にフォーカスしたデバイスを考えた

徘徊を恐れて完全外出禁止の老人ホームに入居させると要支援だったシニアが半年で要介護3くらいの見栄えに落ちることはよくあります。

老人ホーム入居のさい家族の要望で多いのが、「最期の看取りまで住めるのか」というものです。これは高齢者施設を転々とさせると親が可哀想、という真っ当な考え方からくる希望でしょう。

ただ、このツギココ開発の発送から考えてみると、最初から厳重完備の老人ホームに入居するより、外出自由のシニアシェアハウスやケアハウス(軽費老人ホーム)をクッション的に利用するほうが、親の老化を抑えるにはいいんじゃないか、とも思えます。

トヨタは「C+walk(シーウォーク)」という他社のモノよりかなり高性能なシニアカーも開発しているようです。

( 参考:トヨタイムズー『「100m歩くことも大変」免許返納後のシニアの移動はどうなる…?』 )