シニアカー、補助金と訪問介護の同行

荒川区の南千住はタワマンときれいな公団マンションが区画整理され整然と立ち並ぶ近未来的な団地街です。
深夜さえライトアップされ安全なこのエリアの道路は、バリアフリーで広々しているため電動シニアカーを駆って買い物に出歩いている高齢者が沢山います。

南千住の病院に退院調整の老人ホーム紹介にうかがったさい、駅のロータリーで、面識のある地元の訪問介護士さんと同行者(シニアカーに乗った利用者)と出くわしました。
訪問スタッフさんとの挨拶がてら、新しいシニアカーだったので利用者さんに乗り心地を聞いてみたら、とにかく便利ですごくいい、という感想を言っていました。

補助金

荒川以外でも江東区や江戸川区など、都内の平地で道路の広い自治体ではシニアカーをひんぱんに見かけます。
シニアカーは3~40万円位するので全ての自治体で補助金が出ているわけではありません。
しかし、電動のシニアカーではなく、お婆さんが押して歩いているシルバーカーに対しては東京都のほとんどの自治体で補助金が出ています。

葛飾区では、指定事業者から区指定のシルバーカーを買うなら、購入費(限度額2万円)の3分の2を区が負担してくれます。
区の公式ホームページにリンクがあり、PDFファイルで葛飾区指定業者の一覧を紹介しています。

練馬区でも入浴補助用具やスロープや手すり・安全杖等の自立支援用具と同じくくりで、65歳以上の介護保険の要介護・要支援状態になるおそれのある人の困難解決のためとしてシルバーカーに1.9万円の給付をしています。

東京都内の自治体のほとんどは2~3万円程度のシルバーカーに対して2万円近い助成をしてくれますし、青梅市など多摩地域では3.5万円くらい給付があります。

メーカーも車種も増えているのでシニアカーへの補助金助成も近いうちに完備される可能性があります。
シニアカーの購入にかかる補助制度がない自治体でも、介護保険制度によりシニアカーをレンタルできます。

訪問介護・身体介護

ところで、駅ロータリーで出くわした訪問介護スタッフさんは、【シニアカーの利用者に外出介助で同行】していたのではなく、「単に事業所の帰り道と利用者の行き先が同じ方向だったから一緒にいただけ」とのことでした。

外出介助は「老計第10号(訪問介護におけるサービス行為ごとの区分)」において身体介護に分類されます。

身体介護は介護士が利用者の体に触れて支援するもの。車椅子であれば買い物同行を身体介護として算定できます。
しかし、電動のシニアカーで走行する高齢者の横に並んでおしゃべりしながら歩いているだけでは、自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(身体介護)には当たらないとのことです。

つまりは介護保険サービスにはないものなので、シニアカーへの同行を依頼する場合は自費負担になります。

ただ、「シニアカーでの自立した買い物同行に自費を払う」ほど余裕のある人はあまりいません。
よく介護士さんらしき人がシニアカーと並んで歩いている光景を目にしますが、あれはスタッフさんの好意によるボランティア的な奉仕に近いもののようです。