身元保証不要の老人ホーム紹介

(参考:日刊ゲンダイー『単独高齢者の「身元保証サービス」にトラブル~~』 )

こちらの記事では、具体的なトラブル内容は書かれていませんが、身元保証会社のトラブルは多岐にわたります。

身元保証・身元引受

身元保証会社は、高齢者から月数千円から数万円の保証料を取ります。しかし、実態は「何をしてくれる訳でもなく、困った時は無視される」ことがまず一つ。

老人ホーム入居時の調査で、身元引受人や緊急連絡先が見当たらないが「身元保証会社」と契約している人がいます。
多くの老人ホームでは、「ちゃんと身元保証してくれるんだろう」と勘違いし高齢者を入居させます。

しかし、「病院への入院その他の緊急時」や、「高齢者が暴力沙汰などの問題を起こし退去させるべき事態になった時」、身元保証会社に電話しても「担当がいなくて分からない」とか「それは契約に入っていない」とか胡麻化されます。

そもそも、「救急車で搬送され生死にかかわる緊急入院」の時に、身元引受人がいないから入院拒否する!なんて病院はありません。
その人の命に係わる時、身元保証なんて不要なわけです。

【緊急時は身元保証不要】という点では、「特養への緊急措置入所」も同じです。
ある地方の特養で関連法人の身元保証会社と(本来なら不要の)特養入所のための身元保証契約を強いて、月々の保証料をその会社に支払わせたり、という事件もありました。

また、裕福な身寄りなしシニアを狙って、身元保証+財産信託契約を結んで、死後の財産をとってしまうなど。
これは、本人は身寄りなしのつもりでも、不動産財産の処分の時に、知らなかった相続人や血縁者にバレます。
「赤の他人と財産贈与契約が!!」といった騒ぎになり、トラブルが明るみにでます。

身元保証・身元引受といった名称の他に、家族信託とかいう言い方も。
また、公的なサービスとして、自治体が推す「後見人制度」も実際は、トラブルの温床です。

病院の退院調整で老人ホームを頼まれたことがあります。
「介護サービスや医療費、全て込みで要介護5になっても10万円以下の施設を探して」と言われ、「後見人に弁護士がいます」とのこと。
しかし、本人は家持ちだし、色いろ探ったら年金は16万円近くもっている。
要は後見人が、月々やらずぼったくりで6万円近くを自分の懐に入れよう画策していたわけです。
入居者本人が信用しきっていて、その後見人契約を解除しようとしなかったので、バカバカしくなって老人ホーム探しを断りました。

身寄りなし可、の老人ホームを紹介

弊社では、主に東京都内23区に在住の高齢者で、年金額が都心で暮らすには満たない人に、群馬県や茨城県、栃木県などの月額8万円台未満、介護保険の1割負担を入れても10万円そこそこの割安な老人ホームを紹介しています。

東京都内の高齢者は、身元保証会社側からみると、「営業に回りやすいエリア」に住んでいます。
なので、老人ホーム入居時の自己申告調査のさいに、「家族や親せきはいないけど、身元引受会社と契約している」というシニアがけっこういます。

そんな時は、その場で入居前に身元保証会社にそのシニアと一緒に電話して解約の手続きを取ります。
そして、(もちろん『人柄のいい』シニアだけ)身元引受人がいなくてもOKといってくれている老人ホームを紹介し、「身寄りなし」ということで入居してもらいます。

この方が、シンプルかつ高齢者の少ない年金をムダに食いつぶされなくて済みます。

群馬県や茨城県、栃木県などの老人ホーム経営者の多くは、そもそもの大地主さんや介護事業の他に建設や不動産事業を営んでいて、ほんとの意味の福祉目的で施設を営んでいる方が多いので、入居者が良い人なら、身寄りなしでも許してくれるケースが多いのです。

高齢者等終身サポート事業

政府は「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」をつくり、利用者が安心して身元保証会社を選択できる等として、身元引受商売を革新的なお年寄りサポートビジネスのごとくバックアップしています。

この政府の高齢者等終身サポート事業バックアップは、本当に高齢者を取り巻く悪質なビジネスの実態を全くわかっておらず、さらにトラブルを助長させる可能性もあります。