( 参考:共同通信PRwireー『みんなで考えよう!高齢者の事故』 )
記事では、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が、溝・隙間などに関する高齢者事故の事例を挙げて、防止を啓発しています。
「隙間」、つまり、電動介護ベッドの手すりフレームに足や手が挟まって骨折する事故は、老人ホームでのケガの中でもメジャーな話です。
老人ホームでは、各個室に監視用カメラを設けている所もありますが、24時間録画されていても、入居者の細かい動作まで確認するのは不可能です。
ましてベッドのスイッチを「布団の中で操作」されては、完全に分かりません。
なので、足をベッドフレームの外に投げ出したり、ベッドと壁の間にねじ込むクセのある人が、手持ち無沙汰からスイッチをいじっていて、ゴキゴキッと自ら骨を折ってしまい、その発見も数時間後なんてことはよくあります。
これは、ベッドレンタルの福祉用具屋も老人ホームも悪くはなく、不慮の事故で残念、というだけ。
防止のしようがありません。
記事中では、シニアカー走行における「溝」の脅威が書かれていて、これは怖い話。
道路わきの側溝にシニアカーの車輪が挟まって転倒するくらいだとケガで済む可能性があります。
対して、踏切を越えている時に脱輪し、身動き取れなくなったら、どう考えても死しかありません。
この防止策として、【通行する道路環境を介助者とともに確認する】と書かれています。
シニアカーで出かけるのを親まかせにして放置している在宅介護中の家族はけっこういます。
そこをひと手間かけて面倒でも走行ルートを一緒に確認することは、在宅介護の家族に課された義務といってもよいくらい必要なことです。
外出に寛容な老人ホームの場合、職員さんが周辺環境を非常に細かくチェックしていて、ここは信号がないのにトラックがよく通る、とか、農道の側溝が幅広で危なっかしい、とか【危険マップ】を作っていて、お出かけする高齢者に逐一注意を呼びかけているモノです。