( 参考:The21onlineー『老親との会話はなぜこじれるのか? 介護疲れの原因となる「高齢者の二大バイアス」』 )
記事は、yahoo!news内の『THE21』2024年10月号抜粋。「50代でやっておくべき」つまり「介護50/80問題」について、専門家がナッジ理論を元に、円滑に親とコミュニケーションをとる方法を紹介しています。
ナッジ理論については厚労省の公式ページに分かりやすい解説があります。
( 参考:厚生労働省ー『明日から使えるナッジ理論』 )
記事内では「介護50/80問題」の当事者である80代の親を在宅で見守りする50代の子が直面している、【なんで親はわかってくれない!】という状況を打破するための方法を「ナッジ」と「バイアス」をキーワードに解説しています。
バイアスとは、日常会話の中でも出てくる「色メガネ(偏見・先入観)で見る」ことを意味するようなワードです。
これについては、埼玉県新座市にある十文字女学院のサイト「錯思コレクション100」にかなり詳しく書かれています。
( 参考:錯思コレクション100 十文字学園女子大学ー『他者・自己に関する認知バイアス一覧』 )
〝 老親には凝り固まったバイアスがある。面と向かって対応してはダメ。ナッジ理論を用い、そっと後押しして理想的な方向に親が自発的にしたように思わせる形で導くこと。が重要だ 〟と説いています。
もっとも、「介護50/80問題」の原因は、子にもあるとのこと。
本来なら冷静にケアする側のはずが、多くのバイアス(昔できたなら今もできるだろう/自分はこんな尽くしてるのに/だから言ったろうに・・・等々)がかかった頭で、その時の感情にまかせて、親の行動を必要以上に責め立ててしまう、これが在宅介護に失敗する親子の亀裂の原因と解説しています。
9月下旬に東京都内のケアハウスから茨城の老人ホームに引越しする作業があり、ケアハウスのロビーの所で転出する入居者・家族と休憩していたら、このケアハウスに新規入居する親子が入ってきました。
親子はケアハウスの管理者との契約待ちをしていましたが、まさに50/80問題を抱えている風でした。
子が親に「書類全部持ってきた?探せよ。・・・だから昨日あれだけ言ったじゃん!」等とまくし立てて、親はうろたえている状況。
子が色々と悩みすぎ、上記のバイアスに振り回される形で、本当は怒りたくないのに親を怒鳴りつけてしまっているのでしょう。
こういう親子にとっては、「距離を置く」というシンプルかつ効果的な方法として、高齢者施設への入居はベストな選択肢といえます。
子の方も離れてしまえば客観的に親のことを見れますし、親の方も在宅時にさんざん子に小言をいわれうんざりしているから優しい老人ホーム職員がみんな天使に見え、解放感を味わえるはずです。