身寄り無し高齢者問題

( 参考:埼玉新聞ー『老後に身寄りなし、9人に1人に』 )

日本総研が「身寄り無し高齢者(65歳以上3親等以内親族無し)」が2050年に448万人となり、【高齢者9人に1人は身寄り無し】になると公表しました。

記事では、【老人ホーム入居や病院入院時の身元保証人などがいなくなる懸念が】…と記しています。

政府はここ最近、その身元保証について、民間の身元保証会社を増やすとか成年後見人の広報を頻繫に行うなどしています。

しかし、実際には身元保証も成年後見人も、業者が儲かるだけで利用者にメリットがないことを、多くの老人ホームは知っています。
だから賢明な老人ホームは、本人の資質に問題がなければ身寄りなしでも受入れますし、身元引受会社やややこしそうな成年後見人がついている場合、入居を断ります。

また、「身元引受人がいないから入院できない問題」は、実際には心配無用です。
「大方の身寄りなし高齢者の入院は救急車の『緊急搬送』から始まり」ます。
(多くは乱れた食生活で栄養失調とか泥酔して昏倒とか。地域包括さんや福祉事務所さんが発見・通報してくれる)

患者が絶体絶命・危急存亡であり、救急車の中から「緊急要請」をしている消防隊員に、病院側が「身元引受人は大丈夫ですか?」なんて絶対に言いません。
患者が無収入・無年金で治療費をとりっぱぐれることは多く、病院側は入院中に大忙しでキーパーソン探しに翻弄されることになりますが、入院はとりあえずできます。
そして金がないからと放り出すこともできないので、患者の方は60日程度はのらりくらりと入院生活を送れます。
なので、入院の身元保証はほぼいらず、大した心配はいりません。

それよりもこの「2050年9人に1人の老人が身寄り無し」というニュースにつけこんで、そこそこの年金額をもらっているシニアに詐欺を持ちかける集団に、政府がもっと前向きに対策するほうが重要です。

老人ホーム紹介のために面談するシニアやその家族からよく聞く話。
老人ホーム探しをしている本人・家族の携帯に「当社が身元保証し、有利・優先的にお得で優良な老人ホームに入居できます。ついては『着手金ください』詐欺」を仕掛けてくる電話は非常に多いです。
携帯電話番号にかけてくるから100%ネット上の老人ホーム紹介サイトで申し込んだ個人データを元に施設探し老人をピックアップしているのでしょう。

1000万円なら事件になりますが、2~30万円程度の詐欺被害だとマスコミどころか警察も動かないので、実被害は多いはずです。
「2050年9人に1人の老人が身寄り無し」という報道にかこつけて、この電話は更に増えると思われます。