( 参考:大東建託プレスー『認知症をお持ちの方の介護施設からの離設を検知する』 )
この記事以外にも、最近マスコミの報道で〝離設〟なんていう単語が頻繁に出てくるようになったほど、「老人ホームの入居者が無断で施設を脱出してしまうこと」は、一般にも知られる日常茶飯事の話題になりました。
入居者本人の意思だろうが認知症症状の徘徊だろうが、この無断外泊で老人ホーム内がちょっとしたパニックになる事に違いはありません。
現代では、徘徊しそうな対象者を就寝時にベッドに縛り付ける等の行為は、原則は【絶対禁止】です。
病院では、これが許されるのに、介護施設・老人ホームにおいては、これをやると施設やホーム側が【人権無視】として非難されます。
だから、老人ホームとしては施錠を徹底する他、個人の居室の窓を15㎝位しか開かなくするとか、格子をつけるとか、涙ぐましい努力をしています。
また、夜中ならまだしも、入居者のためを思って警備体制を緩和している昼間に無断外出をされてしまうと老人ホーム側では対処の使用がありません。
以下のような事件(老人ホームが謝る必要のない、しかたない事故)もありました。
介護施設の職員は、就業中はフルに入居者全員の安全に目を光らせねばならないので、入居者の1人が「こっそり」上手に無断外出しようとしたら、それに気づける可能性はゼロです。
老人ホームによっては昼間も玄関ドアを暗証番号キーで施錠している所もあります。
しかし、無断外出を企んでいる入居者が玄関辺りに椅子を置いてボケーっとしたふりしながら、この暗証番号を盗み見て暗記し、タイミングをみて脱出してしまう、なんてことが多々あります。
大東建託が開発した体につける〝タグ〟は、老人ホーム内にいる間はホーム内に流れるwi-fi的な電波を受信しており、一歩外に出ると電波が届かなくなり、施設側はこの〝タグ〟所有者が〝離設〟してしまったことをアラートで感知できる、というものです。
今、介護施設やデイサービス等の見守りアイテムで一番多いのは体につける〝GPSタグ〟です。
GPSの衛星ネットを使った測位システムだと外出してしまってからの位置や歩行ルート等の感知発見は容易ですが、〝離設(=無断外出)〟したその「瞬間」を察知することは困難です。
大東建託の場合は〝GPS〟ではなく、まさにその無断外出の【瞬間をアラートで】知らせてくれる〝タグ〟なので、職員さんにとってはありがたいモノでしょう。
大東建託のサイトによると、この商品は【紛失防止タグ】を作っている会社とのコラボで開発したようです。
紛失防止タグとか万引き防止タグは、小売りの商品につけられるものだから、製造数も膨大であり製造コストも安くあがるはずです。
この〝タグ〟を入居者に肌身離さず24時間くっつけさせられるのかは不安なところですが、老人ホーム側としても割安に見守りができるアイテムが増えることは歓迎されます。