二世帯住宅・親の老人ホーム入居

二世帯住宅の定義は以下の通りです。

建設会社は、二世帯住宅について「設備費用や建築面積の削減になり、建築・入居後の水光熱費もメーターを1つにすれば基本料金も1世帯分に節約できる」とメリットっぽいことを紹介します。

また、ふたつの家をひとつにまとめるぶん、広々感はおおきく、特に土地高の東京都内では、メーカーがこの広々気分を全面的に売りにし案内しています。

しかし実際に建てて親世帯もしくは子世帯との二世帯同居が始まるとトラブルが多く、親が死んでしまうと、この建物は子世帯にとって「他人に貸すに貸せないデッドスペース」になります。

不動産買取の現場でも、二世帯住宅買取希望の依頼が多数あり、その多くが大田区の雪谷大塚や杉並区・世田谷区の一等地だったりして、「売るに売れない」ことを知っている売主との直接交渉で、超安値で買えそうな時がほとんどです。

しかし、買取後の整理を考えると相続を含めややこしいケースばかりなので、いくら安くても買うことはあまりありません。

親が死んだ後の二世帯住宅を子が売りに出す理由は、元親世帯だったスペースが維持管理やら税金やら【金食い虫】にしかなりません。
貸そうと思っても、借りる側があふれる「ファミリー賃貸物件」の中から、プライバシーが確保されるマンションではなく、「大家と同世帯」となる二世帯住宅をわざわざ借りるはずがなく「貸すに貸せない」わけです。

親の老人ホーム入居を考える子側が相談にきて、二世帯住宅と聞いた場合、「折角の二世帯なんだから訪問介護を駆使してなるべく在宅を頑張ったらいかがでしょう?」と在宅介護を勧めています。

大体の二世帯は親世帯が「一階」に住んでいるので、見守りについても物理的安全面についても安心材料が多いし、親が死んでもいない時から「デッドスペース(借り手ナシ)」を作るのは経済的損失です。