【有料老人ホームや特養・老健など高齢者施設の職員による入居者の虐待】と【在宅介護での家族による虐待】がともに過去最高件数というニュースが昨日からたくさん報道されています。
ただ、官庁の調査結果は、けっこう雑で虐待ともいえないようなコミュニケーションの相違まで暴力扱いするし、マスコミは針小棒大が基本なので話し半分にとらえて差し支えない話題でもあります。
老人ホーム紹介業務のなかで施設職員・家族の両方と関わり、介護現場の話を聞く立場なので、介護する側の苦労が客観視できます。
そこから感じるのは、介護される側のシニアの「大人げなさ(怒りっぽさ)」と「こらえ性のなさ」が原因になっているケースも多いということです。

自宅から老人ホーム入居までの仲介レベルでしか関わらないため、シニア本人といる時間は短く、またご本人には「入居先探してくれて助けてもらった」と喜ばれるので、紹介業者が嫌な思いをすることは皆無です。
それでも傍からみて、「長い時間一緒にいるのはキツいな」と思うような家族や施設職員にワガママ三昧のシニアは多いです。
家族も投げ出したいシニアと24時間365日つきあっていく介護職員さんには相当のスキルと我慢強さが要求されます。
そのわりに「報酬」が少ないから募集しまくっても人材流出が止まらない。
月40〜50万円もらえたら、迷惑カスハラ爺さんも、単なる「口が悪くて短気だけど好々爺」と思える余裕が生まれるでしょう。
デジタル技術の導入や外国人人材獲得に公金を使うより、介護労働者に対し直接、限定的・ベーシックインカム的に毎月定期的な数万円の公的補助を出す方が、政策としても安上がりで確実なはずですが、そういう案は来年度にも盛り込まれていないようです。