認知症を受入れる高齢者施設はグループホームか特養――とシンプルに考えている当事者家族が多く、よって東京都内では特養と違い民間運営で入居しやすいグループホームが人気です。
しかし普通の民間運営の有料老人ホーム、介護付きでも住宅型でも、そこには認知症患者の方が一定割合います。
そして、スタッフの介護士さんらはみな心得たものなので、本人に敬意をもって接していて認知症だからといったトラブルは多くありません。
国立長寿医療研究センターでは、【認知症に対する無知が『認知症スティグマ(偏見や差別)』を引き起こし、本人や家族達が社会と隔絶され孤立する要因になる】と指摘。
そして、2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」をキッカケに、この「認知症スティグマ」を軽減すべく、認知症サポーター養成講座やオレンジカフェ(認知症コミュニティイベント)の開催などで、一般に知識を拡散することが大切である、とプレスリリースしています。
認知症への偏見は、その所管する厚労省がつい最近まで、「カスハラしてくるクレイマーは認知症の初期症状だ」等と匂わせるような文言を公式HPに資料掲載していた(現在、削除)くらい根強いものなので、一般の人がそう思っていてもしょうがないでしょう。
老人ホームでも新入スタッフさんは認知症への対応に戸惑うものです。
ひとくくりにして「高齢者対策」という社会的問題は多数あり、介護ビジネスのプロでも忘れがちな子細なこともあるので、介護福祉関係の業界は常に問題意識をもって運営に関わる必要があります。