大家さんの老人拒否感とシニアシェアハウス

( 参考:産経新聞ー『「部屋が借りられない」1人暮らしの高齢者 苦しい賃貸事情』 )

記事によれば、国土交通省の調査で大家の7割がシニアに部屋を賃貸するのに拒否感があるそう。
老人ホーム入居を考える高齢者の中には、賃貸マンションの契約更新を断られたので、地域包括支援センターを仲介して、弊社に施設紹介を依頼してくる人の割合が高いです。

マンションやアパート大家さんの「老人忌避反応」も当然で、個室で孤独死されるのも嫌ですが、年寄りが住んでいると建物全体が辛気臭く感じられ、若い新規入居者が募集しづらくなります。

本人は元気でまだ東京都内に住みたい、仕事もできる気がする、と意気揚々であっても、大家さんにとっては経済リスク営業デメリットを増やすわけにはいきません。

都内には、シェアハウスがごまんとあり、その中にはシニアシェアハウスというスタイルでやっている施設もあります。
(元は若者で予算のない人専用だったのが、老人ばかり集まってしまったり)
しかし、老人ホーム紹介を依頼され、本人面談にそのシェアハウスの居室に伺うと、狭すぎて悲しくなることがほとんどです。

「2畳間」なんて今の時代の日本にはないだろう、と思っていたら、高齢者が入居するシェアハウスのほとんどはそれ以下です。
まるで昔、社会問題になった無料宿泊所(生活保護者の囲込みビジネス)のよう。
多くは住宅密集地の再建築不可物件である、築古住宅をリノベーションしたものであり、普通の入居者は見込めないと踏んでいるので、高齢者でもOKです。
生活保護者の囲込みビジネスが頭打ちになって以降、築古住宅の使い道としては、シェアハウスは優良案件です。

何かしら、公的で全面的なバックアップがないと、高齢者の賃貸住宅事情は改善しないで、ますます2畳間以下シェアハウスで貧相な終いを迎える人が増えるでしょう。