都内シェアハウスで若者となじめない高齢者

( 参考:ニフティニュースー『ゴミだらけの最貧シェアハウスに住む20歳男性の事情〜~』 )

記事に書かれているのは、20歳で日払いバイトで暮らす建築作業員へのインタビューで、東京都内の大半をしめるよくあるタイプの貧困系シェアハウスの実態みたいなものです。

都内にあるシェアハウスをマスコミが取り上げる時は2極化していて、ひとつは意識高い系のクリエイターや起業家があつまり一緒に住みながらビジネスを起こしたり、外国人たちとシェアハウスで暮らし多言語・多文化を学んだりするもの。
「テラスハウス」をはじめとした、テレビ番組になるような同一建物での共同共助生活の明るい側面を取材するタイプです。

もうひとつが、たぶんシェアハウスの実態で大多数を占めている23区内の住宅密集地にある、かつて「〜〜荘」という名称だった古アパートや築古で立て替えできない一戸建て住宅をリノベーションし、6畳間を3つに区切ったような狭小居室のもの。
リンク先の記事に書かれている若者の共同生活住宅もこのタイプです。

東京都内のシニアで老人ホーム紹介を依頼してくれる人が住んでいるシェアハウスは、ほとんどこちらのタイプです。
すべてのシニアは、【前に住んでいたマンションやアパートの契約期限がきて、更新ができず、慌てて入居できる先を探したが、高齢者を受入れてくれるアパマンがなく、やむをえずシェアハウスに入居した】という決まった理由で入居します。

ほとんどのシェアハウスの入居者は若者です。
東京都内のシェアハウスだと住んでる若者の仕事も多様で、出入りする時間帯も24時間それぞれ。無職の年寄りは散歩と買い物以外だいたい家の中にいるから、その若者の出入りの音が気になってしかたなくなってしまう。

若者に責任はないのですが、ひまだと誰彼かまわず腹が立ってきて、そしてシェアハウスの中で孤立してしまうようです。
これに比べると「意識高い系若者を支援したい」と思って始めたものの、【安さ】から生活保護者や低年金受給老人ばかり集まってしまった「結果的に高齢者シェアハウス」だと静かには静かであり、若者との軋轢もありません。

ただし、若者の集まるシェアハウスと違って、建物内清掃に定期的にスタッフさんがきてくれるわけでもなく、トイレ風呂は東南アジアのゲストハウス並みに汚れ切っていたりして、いつか健康被害を受けるでしょう。
この点、弊社でも紹介している群馬県や茨城県に少しづつ増えだした畑付きの広々一軒家をリノベしたシニアシェアハウスは、個室もトイレ・風呂も広々としていて、都内のシェアハウスで肩身の狭い思いをしてきた高齢者には喜ばれています。